5月、初夏の陽気になると、父、母どちらともなく「そろそろ畳ばあげようか」といいました。昨年の晩秋に敷いた畳を全部はがして虫干しします。蚕が来るからでもあります。「畳の間」から「板の間」になる、この気分転換がまた楽しみでもありました。半年近く畳で生活していると、そろそろ板の冷やっとした肌触りが恋しくなります。それは秋の「畳み敷き」は逆にワクワクするものがありました。
庭に竹を組み、立て掛け干します。しばらくしてパーンパーンと叩くと半年分のほこりが煙りのように舞い上がります。当時の畳は畳表以外はワラでしたので、ワラの殺菌能力が活かされていました。今では農薬によって殺菌や納豆菌などのワラ独自のバイオ能力が低下しているそうです。
干して叩いた畳は、部屋の中や縁側のすみなどに重ねて、収納しておきます。
掲載誌/ふるさと子供ウィズダム
畳干しにまつわる手伝いや遊びは本書に掲載しています。
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