昔遊びといっても多種多様です。「ふるさと子供グラフティ」「ふるさと子供ウィズダム」「ふるさと子供遊びの学校」に収録した遊びや行事など、一部を紹介します。

■昔遊び■
■行事■







せんたくごっこ

日曜日のいい天気ともなれば、近くの川の洗濯場では、付近の子供たちはみんな集まって洗濯をやります。女の子は、家族みんなの分まで主婦同様に洗濯をすることが多かったようです。大人たちはほどとんど農作業に頑張っているので、女の子は少女でも大事な家庭仕事の一つでした。

洗濯板を使い、ごしごし洗ったり、ときには足でふんずけて、みんなそれぞれ一所懸命に少しでもきれいに洗えるよう頑張ります。
泡のかけっこをしたり、シャボン玉遊びをしたり、みんな洗濯を遊びのように楽しんでいました。

掲載誌/ふるさと子供ウィズダム
いろいろな遊びは本書に掲載しています。

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野あそび

春の野山あそびは、1年中でいちばん気持ちが良く楽しいものです。レンゲの花は、まるでピンクのじゅうたんを敷き詰めたように一面に広がり、タンポポ、菜の花の黄色は、黄金をちりばめたみたいに輝いています。遠くの山なみのふもとは春霞でソフトフォーカスのフィルターをかけた、美しいヨーロッパ古典絵画の世界に入り込んだようです。

女の子は、野に咲いた草花であそびました。
かんむり、花の首飾り、 椿の花のレイ、フラワーボール、彼岸花提灯、とめそめなど、創意工夫の宝庫です。

掲載誌/ふるさと子供ウィズダム
上記の遊び方や作り方は本書に掲載しています。

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お手玉あそび

「お手玉」は、ふるさと(熊本県玉名郡)では「とんきん」とか「おじゃみ」などと呼んでいました。
小学校の休み時間ともなれば、だれかの机のまわりに女の子ばかり集まって、何やら歌に合わせて、シャカシャカと音をさせながらやっています。

この遊びも、自分のオリジナルの「お手玉」を自分で作ることから始まります。作ることが楽しい「お裁縫ごっこ」なのです。出来上がった「お手玉」をみんなで見せあっていました。

掲載誌/ふるさと子供ウィズダム
遊び方や作り方は本書に掲載しています。

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グランドキャニオンごっこ

「わー、グランドキャニオンだ!」
「ここにもある!」
やや激しい雨上がりの翌日は、畑や山沿いの土が露出しているところに、小さな土の柱がニョキニョキと立っていました。私たちはそれを見つけると、『小さなグランドキャニオン』と言って、座り込んだり、手をついて、視線をぐっと下げ、めいっぱい近づいていろんな角度から見ます。

アメリカの大きな本物は、数万年間の『雨』の力によるものということは知っていましたので、自然が造り上げた造型美には感動するものでした。

掲載誌/ふるさと子供 遊びの学校
遊び方は本書に掲載しています。

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原始連想ごっこ

「あっ、恐竜だ!」
「角があるぞ!」
「見つからないように逃げよう!」
などと、農作業中の牛をみて、みんなでいろんな恐竜の姿を連想しました。
わたしたちは小学校の頃あまり恐竜の正式な名前(学名)は知りませんでした。ただ『恐竜』とか『何とかサウルス』程度の知識しかなく、どれもこれも『恐竜』または『怪獣』と呼んでいました。

いろんな生き物と出会うとそれらはすべて恐竜や正体不明の古代生物に置き換えるのです。それが『原始ごっこ』の最大の醍醐味であって、今自分達のいる「時間帯」はあくまで原始時代なんだという思い込みの遊ぶことなのです。

掲載誌/ふるさと子供 遊びの学校

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ピンポン玉魔球

ボールの代わりが『ピンポン玉』というだけで、ほとんどソフトボールと同じルールです。ベースは三角ベースが多かったようです。

この遊びではピッチャーの投げるピンポン玉の『変化球』が楽しいのです。当時、野球漫画もけっこうありました。その中に登場する魔球といわれる変化球がでてきていました。
私たちも、本当のボールでは出来ないような、いろいろな変化をする『魔球』をピンポン玉で研究しました。

掲載誌/ふるさと子供 遊びの学校
遊び方は本書に掲載しています。

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モモグレ(バカ)合戦

秋の野山には『モモグレ』がたくさんありました。モモグレというのは、動物や人の衣服にくっつく草の実を総称して呼んでいたものです。
いろんな種類の『モモグレ』があったのですが、その中でも『オナモミ』の実は大きく、やや遠くの者に投げ付けてくっつけるのに十分な質量でした。

二手に別れて、一定の時間(1ラウンド3分ぐらい)「わーわー」「キャーキャー」と投げ付け合戦をします。その最中はいくらくっつけられてもはずすことは出来ません。(審判は自己管理)そして、ころ合いをみてリーダー格が「やめー」と宣言したらお互いの敵の服についている『モモグレ』を数えながらとりはずし、数多くくっつけられていたほうが負けになります。

掲載誌/ふるさと子供 遊びの学校
その他の遊び方は本書に掲載しています。

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チャンバラごっこ

「チャンバラごっこ」ほど夢中になった遊びはありません。あんまり強く打ったらダメという暗黙の了解があったのですが、エキサイトして、よくこぶをつくったり手に当たって泣き出すものもいました。が、誰もが二度としないとはいいません。涙を拭いて、また颯爽と殺陣(たて)に加わります。当てた方も悪気はないので「ごめんごめん」と心から謝ると「よか、もうどがんなか(どうもないよ)」と、たくましかった。こんなのが元で本物のケンカになることはありません。

普通、二組に分かれて、切った切られたで、切られたら20数える間、死んだふりをしなくてはいけません。暗黙のルールには突き、バットふり打ちは禁止。手、顔、頭も禁止。野山をかけまわり、大殺陣が繰り広げられました。

掲載誌/ふるさと子供 グラフティ
刀の作り方は本書に掲載しています。

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木の上のすみか

みんな住む家がなかったわけではありません。仲のいい3〜4人が集まり、雑木山に、こっそり自分達だけのアジトを作るのです。学校から帰ると、すぐそこに行って「冒険ごっこ」で遊びます。そこは実家からあまり遠くてはいけません。なぜなら目一杯暗くなるまで遊ぶので、すぐに帰れること、マンガ本やおもちゃ等を持ち込んでいるので急に大雨が降り出したら、運べるようにしとかないといけないからです。

とにかく自分達だけの別荘遊びは楽しく、日曜日は朝からおにぎり持参で一日中はしゃぎ回り遊びました。他のグループが作っているところへ視察に行ったり、招いたりもしました。

掲載誌/ふるさと子供 グラフティ
作り方は本書に掲載しています。

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たたみ干し

5月、初夏の陽気になると、父、母どちらともなく「そろそろ畳ばあげようか」といいました。昨年の晩秋に敷いた畳を全部はがして虫干しします。蚕が来るからでもあります。「畳の間」から「板の間」になる、この気分転換がまた楽しみでもありました。半年近く畳で生活していると、そろそろ板の冷やっとした肌触りが恋しくなります。それは秋の「畳み敷き」は逆にワクワクするものがありました。

庭に竹を組み、立て掛け干します。しばらくしてパーンパーンと叩くと半年分のほこりが煙りのように舞い上がります。当時の畳は畳表以外はワラでしたので、ワラの殺菌能力が活かされていました。今では農薬によって殺菌や納豆菌などのワラ独自のバイオ能力が低下しているそうです。

干して叩いた畳は、部屋の中や縁側のすみなどに重ねて、収納しておきます。

掲載誌/ふるさと子供ウィズダム
畳干しにまつわる手伝いや遊びは本書に掲載しています。

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田植え

梅雨時、つかの間の晴れ。この時とばかりに、夜明けとともに田植えがはじまります。あちこちの水田が緑色になっていきました。子供達も大人にまざって手伝います。

昔の田植えは現代のような機械を使っていませんでした。すべて手で苗を植えていました。田植え綱や田植え竹を使って、きちんと整列するように植えていきます。中腰のため腰が痛くなりました。

掲載誌/ふるさと子供 グラフティ

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ホタル

初夏の夕暮れになると、だれからともなく「ホタル狩りに行くよー」と、誘いの声がかかります。縁側から見ると、ぞろぞろと子供達が集まって、近くの川土手の方へ、ホタル狩りに向っています。急いで支度をして走って追いかけました。

川の土手に着くと、一定の周期でボーっと回りが明るくなるほど無数のホタルが輝いています。そおっと近づくとピタリと光らなくなります。息を殺して、しばらくじーっとしているとポーっと輝き始めます。それをすかざず捕まえるのです。そして小さいホタルは逃がします。また絶対に乱獲はしようにしていました。せいぜい5〜6匹捕まえかごに入れてもって帰っていました。
捕ることよりも、夜遊びのスリルと幻想的なホタル見物の風情を楽しんでいました。

掲載誌/ふるさと子供 グラフティ

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